様々な固まる
折り鶴
紙だと思ったら、超高温で固まって陶器に変身する。陶紙は不思議を持つ造形素材です。高校で美術教員を務めていた時に、この素材に初めて出会いました。以来、陶紙を研究しながら、美術の授業で約10年間、生徒とともに制作に取り組みました。そこで様々な特性を経験しました。陶紙は、超高温(15時間1,250℃)でセラミックが溶けて一体化し、同時に約20%強縮んで陶器に変身します。その時フォルムに微妙な変形が生まれます。一様ではない変化と、マットベージュの色合いをまんべんなく発色するので、ぱっと見、こんな風だったかな!? と驚きます。そのうち、変化や変形の中に見覚えのある個所が見つかり、自分の作品だとわかります。
陶芸電気窯で陶器にリボーンするこの陶紙は画用紙風の紙なのですが、一般にはほとんど知られていません。しかしこの不思議さに触れると、やきものの神様からの素敵な贈り物なのだと思うほかなく、あなたと陶紙と1250度、この融合が唯一無二のあなたの固まる折り鶴を誕生させるのです。そして、陶器にリボーンした固まる折り鶴は、陶器にしては驚きの水を強く吸い上げる能力を持っているので、水を張ったお皿に置くと加湿器になりました。またこの能力により色水で自由に何度でも染められたり、香油のディフューザーにもなりました。また、染め色や水垢汚れをリセットする方法も見つかるなど、さらなる研究を続けているところです。
≪陶紙は、(株)東洋パルプ<現 王子製紙>と、(株)日鉄鉱業が開発した特殊紙で、「陶紙」(商標 昭和59―7794)という商品名で1984年に販売されました。形状は紙。その成分は、85%が陶土(セラミック)、15%がパルプ分(紙原料)で、本来は難燃の壁紙(燃えない壁紙)として開発されました。セラミック成分が多いため、陶芸窯で焼成すると陶器にできる可能性があることから、美術関係者の研究によって工芸用材料に転用され、美術教材としてもデビューしました。一般的な画用紙並みの厚みと硬さの紙で、折り曲げたり、はさみで切ったり、のりで接着もできます。陶紙で折り紙をする時は、水に浸して柔らかくすると非常に折りやすくなります。水に浸しても、分解して元に戻ることはありません。≫
大型の固まる折り鶴(釉薬仕様)

固める前の小型ファミリー仕様

固まる折りバラ 器型固まる折り鶴
福山の平和の折りバラ
このままの姿で、きれいに染められます

器型折り鶴(試作品)
物入れにも、線香立てにも使えます
